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2008年06月03日

「樅の木は残った」

 今日は、数日前に続き、山本周五郎の作品紹介を。

 山本周五郎の代表作と言えば、私は迷わず「樅(もみ)の木は残った」を挙げます。

 

 文庫版にして上・下巻計約1,100ページ。読み応えがあります。

 題材は、江戸時代前期、17世紀後半の仙台藩で起こった伊達騒動。

 山本周五郎は、従来、は騒動の“元凶”と目されていた原田甲斐を主人公に据え、新鮮な視点で伊達騒動を描いています。

 歴史解釈にも一石を投げかけたとされるこの「樅の木は残った」。

 私が読了したのは1988年11月。

 すでに、周五郎作品に魅入られていた私は、満を持してこの作品に取り組みました。

 事前に仕入れていた評価に違わず、本作品は私を魅了しました。

 構成や表現の巧みさなど、文学的評価は上手く伝えることができないのでやめておきますが、もっとも感動したのは、作家の想像力の深さです。

 独自に史料を収集した上での執筆であったと思いますが、「こんな解釈もできるんだ」と驚きました。

 事実から推測される真実は見方によって大きく異なることを、本作品で改めて確認しました。

・山本周五郎著 「樅の木は残った」上巻・下巻
           新潮文庫:上巻(528頁・本体定価560円[1988年当時])
                  下巻(594頁・本体定価600円[1988年当時])

  


Posted by マンボウくん at 23:56Comments(0)本の話