2008年06月07日

『ジャンプ』

 先日、佐藤正午氏の『ビコーズ』『リボルバー』について触れましたが、同氏の作品は、この2作の直後に『王様の結婚』(集英社文庫、233頁、本体価格320円[1988年当時])を読了してからのち、久しく手に取ることがありませんでした。

 そこから13年後の2001年9月に買ったのが、『スペインの雨』(光文社文庫、287頁、本体価格495円)です。

 カバーに記された紹介文には「甘く苦い青春の終わりを噛みしめる9編の短編小説集」とあります。

 一編一編の内容はあまり覚えていませんが、読後感がよかったのだと思います。この1冊を機に、それから1年内に10冊以上、佐藤正午氏の文庫を読みました。

 その中で、個人的に最も完成度が高いとみているのが、『ジャンプ』(光文社文庫、360頁、本体価格590円)です。

 コンビニにリンゴを買いに行ったまま姿を消した彼女。「なぜ彼女は失踪したのか。」 その答えと彼女を探す主人公。

 何気ない出来事が、人の人生を大きく変える。コントロールできるようでできない、人生の不可思議さを巧みに描いた『ジャンプ』。

 もう少し、上手い表現で伝えられればよいでのすが、その技量がないのが口惜しいですね。

 ともあれ、佐藤正午著『ジャンプ』、お奨めの1冊です。

『ジャンプ』

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Posted by マンボウくん at 23:49│Comments(0)本の話
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