2007年09月20日
みゆき(その1)
皆様、こんばんは。マンボウくんでございます。

本日は久しぶりに(単にネタがなかったからですが)、愛読書シリーズの第4弾と致します。
確か、前回は就職前年の、読書に耽溺していた頃の話でしたね。
さて、その後、就職して一人暮らしを始めた小生。仕事が忙しくてなかなか読書にかける時間もなく、読了する冊数も激減。就職前年の130冊余りから、年間20~50冊程度の読了数となりました。
社会人になって間もない頃からよく読みだしたのが、宮部みゆきさん。ちょうど宮部さんが売れ始めてきた頃と重なっていたと思います。確か、初めて読んだのは『レベル7』。長編ミステリーですが、引き込まれてすぐに読み終えたのを覚えています。まだその頃は宮部さんも若手と言ってよいお年頃だったはずですが、その筆力に感服しましたね。
続いて『魔術はささやく』『我らが隣人の犯罪』『龍は眠る』など、それまでに刊行されていた本を続けざまに読みました。いずれも、とても読み応えがあり、一言で言って“おもしろい”作品ばかりでした。
宮部さんの恐るべき(?)点は、ミステリーという1つのジャンルにとどまらず、時代物やファンタジー・SF・ほんわか物(ちょっとほんわかする作品のことね)など幅広い分野の作品を発表していること、そしてそのいずれの分野の作品も秀作揃いであることです。おそらくは才能豊かであり、努力家でもあるのでしょう。自身を振り返ってみても、うらやましい限りです。
さて、代表作とも言うべき作品がいくつもある宮部さんの小説の中でも、個人的に“コレ”として挙げるのは『火車』。
あらすじは省きますが、カード社会の覆面性に焦点を当てた社会派ミステリーと言ってよいのでしょうか、ともかく考察に考察を重ねて執筆されたであろうことが推察される、深みのある作品です。ちなみに、この作品で宮部さんは新潮社主催の山本周五郎賞を受賞なさっています。
『火車』に限らず、宮部作品はいずれも期待を裏切らない小説ばかり(と小生は思います)ので、おひとつお手にとってみられるのもよいのではないでしょうか。
ではでは、また。
*****************************************
アイウィッシュアカデミーのHPの
“マンボウくんのひとりごと”には、当ブログ掲載前の7月からの
日記があります。
お時間あればお立ち寄りください。

本日は久しぶりに(単にネタがなかったからですが)、愛読書シリーズの第4弾と致します。
確か、前回は就職前年の、読書に耽溺していた頃の話でしたね。
さて、その後、就職して一人暮らしを始めた小生。仕事が忙しくてなかなか読書にかける時間もなく、読了する冊数も激減。就職前年の130冊余りから、年間20~50冊程度の読了数となりました。
社会人になって間もない頃からよく読みだしたのが、宮部みゆきさん。ちょうど宮部さんが売れ始めてきた頃と重なっていたと思います。確か、初めて読んだのは『レベル7』。長編ミステリーですが、引き込まれてすぐに読み終えたのを覚えています。まだその頃は宮部さんも若手と言ってよいお年頃だったはずですが、その筆力に感服しましたね。
続いて『魔術はささやく』『我らが隣人の犯罪』『龍は眠る』など、それまでに刊行されていた本を続けざまに読みました。いずれも、とても読み応えがあり、一言で言って“おもしろい”作品ばかりでした。
宮部さんの恐るべき(?)点は、ミステリーという1つのジャンルにとどまらず、時代物やファンタジー・SF・ほんわか物(ちょっとほんわかする作品のことね)など幅広い分野の作品を発表していること、そしてそのいずれの分野の作品も秀作揃いであることです。おそらくは才能豊かであり、努力家でもあるのでしょう。自身を振り返ってみても、うらやましい限りです。
さて、代表作とも言うべき作品がいくつもある宮部さんの小説の中でも、個人的に“コレ”として挙げるのは『火車』。
あらすじは省きますが、カード社会の覆面性に焦点を当てた社会派ミステリーと言ってよいのでしょうか、ともかく考察に考察を重ねて執筆されたであろうことが推察される、深みのある作品です。ちなみに、この作品で宮部さんは新潮社主催の山本周五郎賞を受賞なさっています。
『火車』に限らず、宮部作品はいずれも期待を裏切らない小説ばかり(と小生は思います)ので、おひとつお手にとってみられるのもよいのではないでしょうか。
ではでは、また。
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アイウィッシュアカデミーのHPの
“マンボウくんのひとりごと”には、当ブログ掲載前の7月からの
日記があります。
お時間あればお立ち寄りください。
2007年09月20日
自宅の棚も溢れています。
本日の書き下ろしの前に、当社HPの8月28日の日記の分を転載させてください。
それから、書き下ろしを載せます。
---------
以下は当社HPの8月28日の日記からの転載です。
ここにブログを開設する前の日の日記ですね。
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本日はよいネタが浮かびませんので、困ったときのシリーズもの、ということで、久々の愛読書コーナー第3弾です。
さて、前回は大学の前半頃までだったと思いますが、その後、就職する前の約1年間、小生の人生の中で最も読書に耽溺する時代を迎えます。
きっかけとなった1冊は、芥川賞作家である宮本輝氏の『錦繍』。内容は省略しますが、往復書簡の形で綴られる文体が、繊細な情感を描き出し、引き込まれるように読んだことを覚えています。
実はそれまで、現代作家の小説を読むことはほとんどありませんでした。特に理由があったわけではありませんが、当時の小生、小説と言うと、漱石だの芥川だの、ある程度評価の定まった、教科書にもその名が出てくるような作家のものを読むべし、といった固定観念に縛られていたような気もします。
そこでたまたま読んだ『錦繍』で、カルチャーショックを受けたのです。「現代作家も読んでみよう」というスイッチが入り、堰を切ったように、書店に行ってはいろんな作家の作品を手にするようになりました。
それまで現代作家さんはあまり知らなかったので、毎月の文庫の新刊を何冊か買い、面白いと感じた作家の作品をまた探して読む、というパターンでした。
書棚にどんどん本がたまっていき、それを作家ごとに整理するのも楽しんでいましたね。当時、冊数が多かったのは、まず宮本輝氏。宮本氏の作品は『青が散る』『避暑地の猫』など、当時文庫化されていたものはほとんど読了しました。宮本輝さんには“ハマった”と言えるでしょうね。その他、連城三紀彦氏・渡辺淳一氏・佐藤正午氏なども愛読しました。
ちなみに、佐藤正午さんに関しては、それから10年ばかりご無沙汰していたあと、世紀が代わった頃にまた数冊続けて読みました。以前のような荒々しさはありませんでしたが、奥行きのある文章に、(僭越ですが)作家としての成長を感じました。中でも“岐路”がテーマとなる『ジャンプ』は、(語彙が貧弱で申し訳ありませんが)非常に秀逸な出来である、と個人的に同氏の代表作に推させていただいております。
この他にも、山本周五郎氏・池波正太郎氏といった、時代小説にもはまりました。両氏の本は、小生の文庫コレクションでも、その数において1位と2位を競うほどです。一緒に取り上げると混同されてしまいそうですが、両氏の作風は全く別です。池波正太郎さんは『鬼平』シリーズや『剣客商売』シリーズで知られるように、エンタテインメント性の強い作風で、純粋に“面白く”読んでいくことができますね。
一方、同じ時代物でも山本周五郎さんの作品は、武家物にして市井物にしても、人の情が表に出る作風と言えるのではないでしょうか。また、緻密な考証で歴史解釈にも一石を投じた『樅の木は残った』を読んだ際は、「考察することに限界はないんだ」と感嘆したというか、白旗を揚げましたね。こりゃあ、すごいわ、と。
と、そんな具合で、特定作家の作品も読み集めつつ、できるだけ幅広く本を手にしたあの1年。就職で地元を離れるまでにおよそ130冊以上読了しました。読了数ならばもっと上をいく方も多数いらっしゃると思いますが、当時の小生としては、時間があれば本を読んでいたという記憶があります。おそらく、中学生以後のそれまでに読んだ冊数より、この1年間で読んだ数の方がずっと多かったのではないでしょうか。言わば小生の読書狂時代でした。
今振り返っても、あの頃はホントよく読んだよなぁ、と感慨深い思いで胸が満ちます。就職後はさすがに読書量は落ちましたが、あの頃の経験があるせいか、趣味欄には今でも、“読書”と臆することなく書くことができます。昔取った杵柄、ってやつかもしれませんけど。
ということで、本日はおしまいです。
あまりにフツーな内容で、オチがないのが、小生としてはおちっがない、おちっかない、おちつかない、落ち着かない、気分です・・・・・・。
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アイウィッシュアカデミーのHPの
“マンボウくんのひとりごと”には、当ブログ掲載前の7月からの
日記があります。
お時間あればお立ち寄りください。
それから、書き下ろしを載せます。
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以下は当社HPの8月28日の日記からの転載です。
ここにブログを開設する前の日の日記ですね。
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本日はよいネタが浮かびませんので、困ったときのシリーズもの、ということで、久々の愛読書コーナー第3弾です。
さて、前回は大学の前半頃までだったと思いますが、その後、就職する前の約1年間、小生の人生の中で最も読書に耽溺する時代を迎えます。
きっかけとなった1冊は、芥川賞作家である宮本輝氏の『錦繍』。内容は省略しますが、往復書簡の形で綴られる文体が、繊細な情感を描き出し、引き込まれるように読んだことを覚えています。
実はそれまで、現代作家の小説を読むことはほとんどありませんでした。特に理由があったわけではありませんが、当時の小生、小説と言うと、漱石だの芥川だの、ある程度評価の定まった、教科書にもその名が出てくるような作家のものを読むべし、といった固定観念に縛られていたような気もします。
そこでたまたま読んだ『錦繍』で、カルチャーショックを受けたのです。「現代作家も読んでみよう」というスイッチが入り、堰を切ったように、書店に行ってはいろんな作家の作品を手にするようになりました。
それまで現代作家さんはあまり知らなかったので、毎月の文庫の新刊を何冊か買い、面白いと感じた作家の作品をまた探して読む、というパターンでした。
書棚にどんどん本がたまっていき、それを作家ごとに整理するのも楽しんでいましたね。当時、冊数が多かったのは、まず宮本輝氏。宮本氏の作品は『青が散る』『避暑地の猫』など、当時文庫化されていたものはほとんど読了しました。宮本輝さんには“ハマった”と言えるでしょうね。その他、連城三紀彦氏・渡辺淳一氏・佐藤正午氏なども愛読しました。
ちなみに、佐藤正午さんに関しては、それから10年ばかりご無沙汰していたあと、世紀が代わった頃にまた数冊続けて読みました。以前のような荒々しさはありませんでしたが、奥行きのある文章に、(僭越ですが)作家としての成長を感じました。中でも“岐路”がテーマとなる『ジャンプ』は、(語彙が貧弱で申し訳ありませんが)非常に秀逸な出来である、と個人的に同氏の代表作に推させていただいております。
この他にも、山本周五郎氏・池波正太郎氏といった、時代小説にもはまりました。両氏の本は、小生の文庫コレクションでも、その数において1位と2位を競うほどです。一緒に取り上げると混同されてしまいそうですが、両氏の作風は全く別です。池波正太郎さんは『鬼平』シリーズや『剣客商売』シリーズで知られるように、エンタテインメント性の強い作風で、純粋に“面白く”読んでいくことができますね。
一方、同じ時代物でも山本周五郎さんの作品は、武家物にして市井物にしても、人の情が表に出る作風と言えるのではないでしょうか。また、緻密な考証で歴史解釈にも一石を投じた『樅の木は残った』を読んだ際は、「考察することに限界はないんだ」と感嘆したというか、白旗を揚げましたね。こりゃあ、すごいわ、と。
と、そんな具合で、特定作家の作品も読み集めつつ、できるだけ幅広く本を手にしたあの1年。就職で地元を離れるまでにおよそ130冊以上読了しました。読了数ならばもっと上をいく方も多数いらっしゃると思いますが、当時の小生としては、時間があれば本を読んでいたという記憶があります。おそらく、中学生以後のそれまでに読んだ冊数より、この1年間で読んだ数の方がずっと多かったのではないでしょうか。言わば小生の読書狂時代でした。
今振り返っても、あの頃はホントよく読んだよなぁ、と感慨深い思いで胸が満ちます。就職後はさすがに読書量は落ちましたが、あの頃の経験があるせいか、趣味欄には今でも、“読書”と臆することなく書くことができます。昔取った杵柄、ってやつかもしれませんけど。
ということで、本日はおしまいです。
あまりにフツーな内容で、オチがないのが、小生としてはおちっがない、おちっかない、おちつかない、落ち着かない、気分です・・・・・・。
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アイウィッシュアカデミーのHPの
“マンボウくんのひとりごと”には、当ブログ掲載前の7月からの
日記があります。
お時間あればお立ち寄りください。